New Artist Picks 田中望展「潮つ路」
2015年2月7日(土)~3月1日(日)
■展覧会概要
横浜美術館では、将来活躍が期待される若手作家に発表の場を提供する、若手作家支援事業を実施してきました。2014年度からは事業の名称を「New Artist Picks(NAP)」と定め、年に一度、アートギャラリーなどを会場に展覧会を開催してまいります。
新たなスタートとなる今年度は、VOCA2014でVOCA賞(大賞)を受賞した田中望(たなか・のぞみ)をご紹介します。
田中は1989年宮城県生まれ、現在、東北芸術工科大学大学院の博士課程に在籍しています。山形や秋田などを中心に、各地に伝わる文化や信仰、その土地で古くから祀られてきた神々、神楽などの伝統芸能や祭、農耕や日々の暮らしにまつわる伝承などに取材・研究しながら、それらを題材にして絵画作品を制作してきました。小さなうさぎたちが躍動する時空を超えた作品世界は、観る人を想像の彼方へと誘います。
今回は、海に面した港町である横浜での展示に合わせ、これまで田中が訪ね歩いてきた東北各地の町や村のすがたを「船絵」の形式で描き、いくつもの船絵が横浜美術館という港に集う、新作のシリーズを発表します。展覧会タイトル「潮つ路」(しおつち)は、『日本書紀』にも登場する神様の名前にちなんだものです。海洋の知識に長け、潮の流れや製塩をつかさどるシオツチノカミは、神々の水先案内人としての役割を担ってきましたが、本展においては田中が描くたくさんの船を、横浜へと導く守り神となるでしょう。また、制作の過程を示す素描や資料なども合わせて展示します。新進気鋭の若手作家の作品を、この機会にどうぞご覧ください。
https://yokohama.art.museum/exhibition/201502_naptanakanozomi/
■仕様
約147×210×3mm 10ページ